ネット右翼

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ネット右翼とは、ネットウヨの正式名称である。一般には、勝谷誠彦小林よしのりを教祖、現人神として崇拝するカルト教団のことを指す。

概要

大日本帝国の復活を目指しており、教義としては、政教一致、民主集中制、三権一致などがある。また、理念としては、戦争推進、核武装、徴兵制があるが、自分は徴兵されないと固く信じている。民放テレビの出演者を無条件に支持する傾向が強い。麻原とオウム信者の関係と、勝谷・小林とネット右翼の関係は、まったく同じだと言える。

ネット上の掲示板やブログにおいて右翼的な発言および各種メディアへの批判を行ない、自由民主党を支持し民主党社会民主党を嫌うことで知られている。大半は1970年代1980年代生まれの、主に男性と見られている(敗戦直後生まれを「団塊」、60年代生まれを「ゆとり」と蔑む)が、統計的な検証は行われていない。小泉純一郎政権発足後、急速に台頭し、注目されるようになった。これはブロードバンドの発達ともリンクしているとみられる。

また、ネット上の発言のみならず、政治団体市民団体報道機関に対し組織的集中的に抗議電話を掛ける・電子メールを送るなどして圧力を掛ける(電凸)といったオフラインでの抗議行為や、ネット上でコンタクトをとった後の現場における行動も含まれる。ただ、確固たる組織を形成しているわけではなく、個々がネットで連帯をとりながら行動している。

自然発生的に生まれた言葉であり使用する各人によりネット右翼の定義は様々であるが、2000年代の日本における若年層の右傾化の象徴とみなす向きが多い。また、ネット右翼に対してネット左翼という言葉が新聞・テレビといったメディア上では存在しないことも注目される。

具体例

  • 2005年のマンガ嫌韓流の出版およびヒットはそれまでのネット右翼の活動の集大成と見られている。
  • 2005年、杉並区での教科書採択において一部が現場からレポートし、その様子を取材された。
  • 2005年の総選挙での自民党の歴史的勝利において、投票率が7%以上上がったことも含めその投票行動が注目された。当日の開票速報では専門家が2ちゃんねるの反応について触れた。
  • 2006年の小泉首相靖国参拝において、ネット上の発言のみならず実際に参拝に訪れた様子が報道された。
  • 近年メディアでも使われるようになった特定アジアを発案した。
  • 「左翼的」、「反日的」だと思われる人間に対して、当該人物が運営するブログに批判的なコメントを殺到させ、炎上させる。
  • 二言目には「在日」「チョン」「サヨ(左翼)」の罵声。これで相手をへこませられると信じている。
  • ミッドウェー海戦以後の敗走戦以後だけが太平洋戦争だと信じ込んでいる。故に発想は“反日国家の攻撃から日本を守るのは我々だ”であり、重慶や真珠湾爆撃、満州国を足掛かりとした中国への侵食など侵略行為はなかった事にしている、ないしは“中国の捏造”であると決め付けている。

メディアの扱い

近年、メディアによるネット右翼の特集が目立って増えてきている。朝日新聞毎日新聞左派の立場からの論考に対し、産経新聞は右派の立場から、どちらかというと好意的である。毎日新聞はこの問題について、2ちゃんねる管理人の西村博之らを交えた座談会を断続的に行っている。TBSNEWS23で特集を放送した。

2006年の8月15日に小泉総理が靖国参拝をした際、テレビ、新聞の各メディアの大半が反対キャンペーンを行ったが、その後の世論調査で支持が過半数を超え、メディア各社は戸惑いを隠さなかった。NHKは当日の生番組で携帯電話でアンケートをとった結果、賛成が63%反対が37%となった。これについて、後日朝日新聞が携帯電話では若い世代の意見に偏ると批判した。これは、事実上ネット右翼に対する批判と考えられる。

同時期、やはり朝日新聞のファッション欄に掲載されたワンポイントマーク復活の記事において、「メンズウエアの胸元に、ワンポイントマークが復活している。かつては中年男性のゴルフ用ポロシャツに、必ずついていた傘や熊などのマーク。それが今、おしゃれな装飾としてさまざまな形に進化している。」という書き出しから「そういえば、自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も、多少気になるところだが。」との結論に至った。これもネット右翼を日常的に意識している結果と見られている。

識者の見解

  • ジャーナリストの佐々木俊尚は「これまでマスコミで黙殺されてきた新保守論的な世論が、ネットという媒体を得て一気に表舞台へと噴出してきているというのが正体ではないか」としている。
  • 北田暁大東京大学助教授は「中韓そのものへの嫌悪というよりは、中韓に優しいように見えるマスコミの正論に反発することで、連帯感を共有しているように見える」としている。
  • 鈴木謙介国際大学客員研究員)は「右翼というよりは『左翼嫌い』、より正確に言えば、『マスコミに流通する言葉が優等生的な言説ばかりであることにいらだっている』集団」としている。
  • 漫画家の小林よしのりはもともとは批判的な立場であったが、2006年の小泉総理靖国参拝後、「わしのゴー宣は、描き始めてから発表に3週間かかる。あえて批判してきたネット保守に共闘をもちかけたい。今後、同調圧力をかけるマスコミがいたら、直ちに批判してくれ! わしの力の限界を超えてくれ!」とネット右翼に共闘を呼びかけた。これはさまざまな憶測を呼んでいる。
  • 山口二郎北海道大学教授は「攻撃的引きこもりである小泉総理を見習って、蛸壺に閉じこもりつつ、気にくわない言説への攻撃に精を出している」と評している。
  • 加藤紘一自民党元幹事長は小泉総理が靖国参拝をした2006年8月15日実家を放火された。その後「マスメディアも、いわゆるインターネット右翼と呼ばれる人たちの動向などについてももっと報道して欲しい。従来の民族系右翼の人たちとは異なる側面を感じる。彼らとも活発に真剣な議論をかわしていきたい」と発言した。

関連項目

外部リンク


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